サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

府の財政は本当に好転しているのか?

 選挙後も毎日のように、テレビのニュースになる橋下徹氏。
 わたしは、橋下にヒドイ政治家だと言う前に、なぜ大阪市民、特に若い人が嬉々としてハシモトに投票したのか、そっちの方が不思議で不思議で?です。 その背景や構図を知りたくていろいろ物色しています。
 吉冨有治著の「橋下徹-改革者が壊し屋か」は、公平な立場で分析した面白い本でした。
 タレント弁護士と言うよりも、弁護士タレントとしての人気が高いようだが、テレビの「行列のできる法律相談所」は見たことがないのでどんな弁舌だったのか知らない。
 この本にいろいろ書いてあるなかで、アレっと思ったのは「府の財政は本当に好転しているのか」のくだりです。
 橋下知事は「わたしのやり方が気に入らなければ職を変えればいい」といいながら、08年8月から最大11%の職員基本給をカット、都道府県の最低水準にまで引き下げ、退職金までカットした。
 文化・スポーツ、私学や保育など教育関係予算も大幅カット。
 財政改革を豪語したとおり08年は119億円の黒字になり、「11年ぶりに黒字に転じた」「さすが橋下知事」と8割の支持になったようです。
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 ところが事実はグラフのようなアンバイ。

 大阪府自民党府政の下で大型開発のムダ使いを行い、2000年には383億円の赤字に転落した。 その後は赤字解消につとめ、橋下就任の前年には赤字はわずか7億円まで直線的に改善していたのです。その延長線の赤字解消だったわけです。
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 さらに次のグラフのように

 大阪府の借金は、橋下知事になったら逆に借金が増えて(地方債残高)しまった。
 逆に激しく批難した、相手の大阪市が借金を改善している。
 市民・府民は、府や市の財政が赤字のために税金が高いを思わされ、それは高い職員給料や高い社会保障費に原因があると思わされ、そのため(今も)公務員をバッシングしてスカッとした思いを抱いている。
 問題は生活が少しは良くなったか?地域経済が良くなったか?が肝心なところ。
 これらの財政問題の重大な事実は、市民に明確にさえれたのだろうか? 市民に公正は判断をしてもらうために事実を知らせる責任は、どこにあるのか?
 同時に、根底には、市民のメディアリテラシーが未成熟があり、主権者として知る権利を主張する主体になりえていない問題がある。 明日につづく。