サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

メディア・コントロール③ 世論工作

 メディア・コントロールの最たるものは、戦争、とりわけ対外的な侵略戦争。「戦争の大義」「戦争の正当性」「犠牲の許容」などの「合意形成工作」の立役者はメディアと教育。

 マサチューセッツ大学での学生への調査(湾岸戦争当時)は、テレビの影響力を如実に示した。「ベトナム戦争での犠牲者は何人?」への平均的な回答は、約10万人、だった。公式な数字は200万人で実際は3〜400万人。なぜ10万人との認識にいたったのだろうか?
 ドイツ人に「ホロコーストユダヤ人がどれだけ犠牲になったか?と問えば「30万人」との回答はないだろう。ドイツの歴史教育はしっかりしているし、戦争指導者は罰せられ、真実を隠す必要はないからだ。日本の学生に先の戦争で、日本人が殺したアジア人は何人?と問えば、(    )人と、答えるだろうか?

 おそらくその答えは、日本の米軍基地の現状、朝鮮戦争ベトナム戦争湾岸戦争イラク戦争、アフガン戦争その他の戦争の重要な加害・兵たん基地の異常な歴史と現実を納得させるものだろう。
 アメリカが戦争依存症から抜けられない根底にメディアの操作がある。受けては孤立化させられている。組織化されていない。希望を見失うようにさせられている。「本当は誰も殺したくない」-素朴な思いが共有されないように。
 1960年代のアメリカ人の「軍事力行使」への拒否感の男女差はなかったが、70年代には25%の差で女性の拒否感が高まったそうだ。
 チョムスキーはそこに、女性運動の組織化、フェミニズム運動への参加があったと指摘する。自分の考えと同じ人がたくさんいることに気づく事が大事。「想像してごらん…♪」「1人だけじゃない…♪誰もが思っている事…」