サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

地球温暖化戦争①「わかっちゃいるけどやめられない」


 ダウィン・ダイヤー著「地球温暖化戦争」を読んでいる。ダイヤー氏は、カナダや英米海軍に在籍した経験を持つ軍事アナリスト・ジャーナリスト。
 温暖化が進むと核戦争が起きると予測するなど、気候変動がもたらす、紛争や対立について分析していている。軍事専門家は、国家の危機管理を任されるので過剰になるのではないかと思って本をとったが、そう言う面と同時に、ちがった面も感じた。
 これまで地下資源をめぐって大国を中心に争いをしてきた。尖閣諸島問題も結局、動機は同じだろう。ピーク・オイルを過ぎればさらに強まることになる。北極海の海氷がなくなれば、次にどんなことが起きるのか想像も対応もしないで、またまた石油、天然ガスのほじくり返しに夢中になる。そんな戦争や紛争のムダをやっているヒマはないのに。迫っている危機は、そんなレベルではないのに。「わかっちゃいるけど、やめられない…」
 地球環境の危機の進行に、国家や市民が冷静な対応ができるかどうか、利害の対立が先鋭化したら、社会と国家と市民はどんな反応を示すか?ダイヤー氏は、自然科学者ではない立場で論及する。
 家族が餓え始めたら、飲み水が不足し始めたら、隣人に分けてもらうように頼むだろう。が、隣人は今は、比較的余裕があっても近い将来、不足になる事は明らか。拒否されたら、黙って家族とともに餓死を選択するだろうか。人類学的に過去の経験では、餓える前に襲ってきたらしい。確かに、砂漠や海面上昇で、慣れ親しんだ土地に住めなくなった移動するしかない。隣人がしかめっ面しても、鉄条網を敷いても移動するしかない。これは人類の活動量が地球の許容量をオーバーしている事からおきている矛盾。
 今なら、人類に求められること、つまり、協同ができる。今なら。引き返せないポイントまでの期限付き。