サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

ガイヤ理論-地球は生きている

 地球が一つの生命体として(の如く)ふるまう事をジェームズ・ラブロックと言う科学者が1960年代から唱えた。名づけて“ガイヤ”仮説。(ガイヤ⇒ギリシャ-大地の女神)(本は84年-ガイアの科学-「地球生命圏」等3作ほか少し前に読んだ)
 私にとっては、斬新で深遠な、そんな考えもあるのかと衝撃的だった。それまでは、なんとなく土は土、空気は空気、海も生物も寄せ集めと思っていた。現在の地球の大気と海洋と地表の組成は生物が作り出したもので、生物それらがひとつの有機体的として、自己調節機能を発揮して、生物圏を維持・発展しようとしていると。
 太陽系の兄弟、金星の大気はCO2が98%で平均気温は480℃。火星もCO2が95%で−63℃。地球は窒素が78%酸素が21%、CO2は0.03%、平均気温は15℃。仮に地球に生物がいなかったら、CO2は98%、窒素は1.9%、酸素は微量、平均気温は215℃。おそらく海もなくなると言われている。水素原子は軽いので宇宙に逃げ出す。水素を引き止めて、水として固定化してくれているのは酸素。酸素を二酸化炭素から引き離してくれたのは植物。
 太古の昔、大気はCO2が多かったが、光合成生物によって分解され、Cは植物・動物に固定化されやがて地中へ、O2は大気へ、そしてオゾン(O3)層を作り出して紫外線の透過を弱め、また海に解け込んで金属類を固定化した。光合成の初期の主役は27億年前のシアノバクテリア(アオコ)。酸素はあらゆるものを酸化させるから、光合成生物が送り出さなければ、たちまちなくなる。
 いまの温暖化は、熱帯雨林、寒帯林など切り倒してCO2を吸収できなくし、過去に光合成植物が大気から分離し地中に蓄積した炭素をエネルギー燃やしてつかい、元の大気に戻している。「生きている地球」の自己調節を圧倒的に上回る速度で。