サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

新聞の徹底研究―デジタル化

「創」3月号に新聞社の徹底研究が載っており買って読んだ。
朝日、読売、毎日、日経、産経、東京の各社を取材しての論考でフムフムです。
 どこもやっているのが紙とデジタルの編集の統合のようだ。
f:id:adayasu:20200301173312j:plain:w230:right 朝夕の通勤時間帯にスマホで読まれるためのニュース仕上げ、SNSで広がっているネタの拾いあげなどなど。その下ので経営努力も行われている。
 「朝日」は、コンテンツ力を高めることと拡散することに力を入れているようだ。どこも同じかもしれないけど。
 「読売」は、部数が一番多いので、この紙読者の資産に依拠しながら、紙読者が「読売新聞オンライン」を利用できるように、ID登録も販売店が一軒一軒たずねて届けている。
 「毎日」が大改革を行っている。私自身もネットに上がる興味ある記事に「毎日」が多いと思い始めた。クリックすると記事の大半は有料契約になっている。環境問題の記事も多く「読みたいな」と思う見出しも多い。他紙に比べ部数が少なかった「毎日」としては「コンテンツファースト」で挽回を図ろうとしている。
 「日経」は早くからデジタル化をはじめており、他紙に比べかなり進んでいる。有料購読数100万に向け邁進中というところ。
今年1/1時点では74万ほどで、この1年で9万もふやしたうようだ。これは日経デジタルの他に「日経産業新聞」「日経MJ」「日経ヴェリタス」も含むが相当な勢いだ。
f:id:adayasu:20200301173317j:plain:w170:left さらに日経は、アジアに英文記事を発信しており、経済成長が著しいアジア諸国に向けて有料会員が増えているという。
 19年のページビューは36%増え、有料会員も1年で70%近く増やしたという。
有料会員が300万人を超えた米国ニューヨークタイムスと同じように経営者に先見の目があったようだ。
 あと「産経」「東京」もあるが割愛したい。
 ここで私たちの運動論から考えてみたい。レーニンロシア革命を進めるうえで、全国政治新聞の必要性を考え、新しい発想で「機関紙」による宣伝と組織、運動をつくっていった。もし、レーニン生きていたら、いまの日本を見てなんと説くだろうか。少なくとも紙への固執ではない。デジタルへの移行だ。ここに財政基盤も確立する必要がある。
 ネットは基本、競争力しだいだ。これまで国家権力と国家が認可した企業で電波を独占し、テレビやラジオを使って国民に圧倒的な認知影響力を与えていた。
 今やNHKなど、公共電波メディアが自由なネット空間に進出してきている。この自由空間に、最新で確かなニュース、取材が尽くされた記事、写真、映像などコンテンツを流せれば、主権者側、運動側の主張が海外も含め展開できる。有料でも競争力のあるコンテンツ、優良な広告のつくコンテンツ、これしだいだ。動画配信のニュースや話題提供動画も含め、国民が知りたいことに応えるべき内容が多数あつめられれば変えられる。ネットも含め、現代社会は情報過多だが、質が良ければ力になる。SNSでも拡散される。
 しかし残念ながら、私たちの遅れを痛感する。かなり置いてきぼりになっている。古い古い成功体験の呪縛は強力だ。ノキアの復活に学びたいところ、だが…。