サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

サピエンス全史③ 農業革命

 「サピエンス全史」の続きです。(紹介・引用)
 ホモ・サピエンスに、次に起きたのが「農業革命」だ。
 先の「認知革命」では、多数の共同が実現され、アフリカを出て、ユーラシア大陸、北・南アメリカ大陸、海を渡ってオーストラリア大陸まで移動し、侵出し、大型動物を絶滅に追いやった。
 農業革命後も、この生物絶滅の本質を継続した。
 ただ、「革命」は豊かな生活をもたしていると思い込んでいるが、人々に幸福をもたらしたかどうか定かではない。
 サピエンスは、小麦を育てる事で、定住し、家族を増やす事ができたが、実は逆に、小麦に家畜化されたのかもしれない。
 暑い日も寒い日も朝から晩まで世話を焼いて小麦の世話をした。耕し、タネをまき、水をまき、肥やしをやり、草を引き抜き、虫までとって、収穫にそなえた。
 採集生活の方が農耕生活より、時間の余裕があり、バランスの良い食事ができ、他の部族との衝突も多く起きた。

 農業革命の場合、植物よりも動物の方が悲惨な結果をもたらした。悲惨は、農業革命の主人公であるはずのサピエンス・動物にも訪れるかも知れない、今のところ理解しないかもしれない。
 動物は家畜化されると、食糧(肉、乳、卵)や原料(皮革、羊毛)や物を運んだり耕したりの労力を提供した。
 人類が世界中に広がるなかで家畜動物も拡がり1万年前には数百万頭のおよんでいたが、こんにちでは、羊が10億頭、豚が10億頭、牛が10億頭、鶏は250億頭にのぼる。そして人類は今、77億人だ。

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 鶏は、普通であれば7~12年生きるが、オスは卵からかえって体重の上限になる3か月で殺され、毛も血もついていない形に変えれられて人間に食べられる。
 残虐性は、男も女も子どもも微塵も感じない。想像すらしない。屠殺は他人に任せていることすら忘れている。
 鶏のメスは狭いゲージの中で卵を産み続ける間だけ生かされる。

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 ペットとして、或いは動物園の動物のように快適な生活を送れるの割合は極めて少数だ。
 これほど繁殖した種としては、進化の大成功かもしれないが、個々の家畜の生きざまは惨めで、残虐の短い一生をおくる。
 種の繁栄と個々の苦しみ。
  両方を遂げつつあるサピエンス人…、 持続は果たして可能なのか?
   限界ある地球が、やがて結論を出す。