サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

日本人はなぜ、「お上」に弱いのか② 良心的兵役拒否の少なさ

 昨日のつづきです。
 現代も含め、「国家とは何か?」を、主権者・国民に問わせない、そんな考えを抱かせない。
 それが支配者らが戦前・戦後の日本人に蔓延させてきた支配のあり方だったろう。
 日本人は、なぜ?「お上」に弱いのか-の著者・安川寿之介氏が紹介している「良心的兵役拒否」。
 第二次世界大戦で「良心的兵役拒否」で獄中生活をしていた人は、
アメリカ 16、000人
イギリス 59、000人
ドイツ  20、000人 近い
日 本   ごく少数 (キリスト教徒ら)
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 三国同盟の中で、イタリアの青年は、ドイツ打倒のパルチザンのたたかいに参加して「イタリア抵抗運動の遺書」を残した。
 ドイツの青年も反ナチ抵抗運動の「白薔薇は散らず」を書き残している。
 日本の「きけわだつみのこえ」の記録は貴重とはいえ、侵略戦争を「聖戦」と教え込まれ「八紘一宇」「神州不滅」に本質的疑問の持つことはできなかった。もちろん、治安維持法により戦争に反対した共産党や宗教家が弾圧され壊滅させられてしまた経緯もある。
 私たちのたたかいが弱ければ、自衛隊員の海外派兵の日も遠くないかもしれない。
 著者は「大学生アンケート調査結果では、第一次世界大戦以来の貴重な世界的な『良心的兵役拒否・軍務拒否』の思想と運動をほとんど(9割以上)教えられていない残念な状況」と述べている。
 現代においても、イスラエル兵士のパレスチナ占領軍務への拒否やアメリカ兵のイラク戦争への軍務復帰拒否など、少なくない抵抗があることに光をあてることが、海外での不正義の戦争への拒否を促すことになると思う。