サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

未来社会の論じ方…

「季論21.19冬」に「に未来社会をどう論じるか」と題し碓井敏正氏が書いている。
 副題は「聴濤弘『200歳のマルクスならどう新しく共産主義社会を論じるか』を読む」となっている。聴濤さんのこの本の事は前にブログにも書いた事がある。
 碓井さんの論考は、わりと面白かった。マルクスの解釈もいろいろあるので、それぞれの専門家に任せよう。
 ただいつも思う事だが「未来社会について」論じるなら、現実に確実に進行している事にこそ、最大現、目を向けるべきと思う。
 「未来社会はやってこない」、このままでは。と私は思っている。
 せっかくなので、少しかじった知識で、マルクスの有名な言葉を紹介したい。
第11テーゼ哲学者たちは、世界を様々に解釈してきただけである。肝心なのは、それを変革することであるフォイエルバッハに関するテーゼ)
 肝心な事は現実をよく見据えることだと思う。「人間社会」内部の争いだけでなく、人間が及ぼしている惑星地球の現状、変化を見据える事だと思う。
 海面上昇が100年もすれば1~2メートルは超える。1万4千年前に、温室効果ガス排出なしにそんな事もあった。
 生産手段の所有が誰にあれ、毎年350ギガトン程の温室効果ガスを大気に排出しつづける人類。海洋にも溶け込む。
 12万年前のエーミアン間氷期の海水面は、今より約5~6メートル高かったとされる。気温は、産業革命より1℃高かく現在と同じぐらいなのに。
 つまり現状の気温がそのまま推移するだけで遠くない時期に海水面は5~6メートル上昇する。どれだけの人が海岸線や河川近くから移動することになるのか。
 co2濃度が現在と同じ水準の400ppMの頃、これは約300万年まえにあり、毎面上昇は今より約20メートル高かった。グリーランドがほぼ融けて、西南極も融けて、東南極も部分的に融けた状態。遅かれ早かれ、co2を大気から取り除かない限り、こんな状態になる。これらの原因は、主に惑星の軌道による太陽光の入射角による。
 現在人類が起こしているのは、温室効果ガスの地球史上例がない程の爆発的な排出による温暖化と海洋酸性化。現状で対策を行わなければ、今世紀末に900ppmを超えるとされる。似たような時期を探して遡ると、
 5500万年前。温室効果ガスが1000ppMを超えた頃のこと。所説あるがメタン大規模放出(メタンハイドレート崩壊)。
  「暁新世・始新世境界で突発的温暖化事件」(PETM)がある。
 気温は現在よりも15℃も高かった。南極も大半が融けて海面上昇もすさまじかっただろう。更に深刻なのは、海洋酸性化だ。動植物プランクトン、サンゴほか、多くの海洋生物が絶滅した。
 人類が放っておけば、過去の地球史に比べ圧倒的な速さで、こんな未来へと進んでいる。こんな未来への連鎖反応の猶予は、あと何年残っているのだろう。科学者は真剣に警告を発している。こんなふうに。
www.youtube.com
 マルクスが生きていたら、このありさまを見てなんと言うだろうか?
 現代「マルクス」主義者について、どう思うのだろうか?
 この欲深き人類の方向転換ができる、提起・実践こそ求められていると思う。今や、マルクス主義者は、死滅しつつあるようにも思う。他の研究者の努力に比べ見る影もない。