サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

徴用工 裁判

 韓国の徴用工裁判で、大法院が戦時中の「徴用工」に、新日鉄住金が賠償金を支払うよう命じた。
 これに対して、新聞もテレビも盛んに批判的な報道が相次いでいる。
 どうもよくわからないというか、スッキリしない。
 徴用とはいえ、強制的な連行もあったし、日本での炭鉱や工場などに隔離され、劣悪、過重な労働で亡くなった人も多い。
 日韓請求権協定で国家間の請求は亡くなったかもしれないが、被害にあった個人にすれば、加害者の企業に補償を求める気持ちは当然だろう。
 徴用工問題の公正な解決を求める――韓国の最高裁判決について 日本共産党志位委員長 は、他の論調にない視点を提供している。
?国家間で外交として請求権を放棄したとしても、「個人の請求権そのものを国内法規的な意味で消滅させたものではない」と91年の国会答弁で条約局長が述べている。
?日本の裁判の判決で最高裁は2007年に、中国人の強制連行被害者が起こした裁判で「(個人の)請求権を実態的に消滅させることまでを意味するものではない」としている。そして日本政府と企業に被害の回復にむけた自発的対応を促した。その結果、被害者と企業は謝罪し、和解金を払って和解した。
?日韓請求権協定の時、日本は植民地支配の不当性を認めず、法的賠償を根本的に否定した。時は、植民地支配から解放されてすぐ内戦、朝鮮戦争で民族対立し疲弊した後でもある。韓国の大統領は朴正煕で軍事独裁政権、どんな人物だったか…。朝鮮戦争特需で復活して日本が韓国へのインフラ輸出が有償・無償「賠償」の中味で個人への補償はされていない。軍人には補償をするが、同じ戦争被害の国民には補償しない日本。戦争への根本的な反省がない事が背景にある。
 そもそも「徴用工」がどんなひどい目にあったか、ほとんど知られていない。若い労働者が侵略戦争でアジア各国に出兵され、国内の労働力不足を補うために、多くが強制連行された。
 こんな事実は多くは知らされず、隠されたままだ。この歴史的事実をテレビなどでも、知らせてないと加害者側の不道徳はいつまでもつづく。
 日本のこんな歴史を国民の知らない人も多いが、これは恥ずかしいこと。
 植民地支配を受け側は忘れようにも忘れらない屈辱だ。
 日本国民に、ナチスユダヤ人迫害はよく知っているし、米国の奴隷制や黒人差別はよく知っている。だが日本の国家が行った加害の事実は、知らない事が多い。
 国家への所属感に埋没しっぱなしの「個」人。