以前、「不死身の特攻兵」の本を紹介したことがありました。 過去ブログ
ベストセラーになっているようです。発売当初は、歴史好きの人が、その次にサラリーマンが、さらに女性が買うようになっているとか。
8月23日「朝日」に著者の鴻池尚史さんのインタビューが載っていました。今の日本に通じる大事な視点ですので紹介します。
特攻隊に「不死身」とは、さすが演出家の面白い表現です。
9回出撃して9回とも死なずに帰ってきた。逃げ回っていたわけではなく、爆弾を落として敵の船を沈めたりして戦いながら。(写真は爆撃機の先端に起爆装置を付けた特攻機)
特攻隊員・佐々木友次さんは、なぜ?生きて帰ってきた?
「空を飛ぶことが好きだったから…」「大好きな飛行機を壊すことにたえらえなかった…」と解説する鴻池さん。死ぬことの同調圧力よりも、「好きな事」が勝ったと。でも勇気なしにはできない事です。
8割9割は、志願と言う名の強制、命令だった特攻。命令した側は、「国のために散った若者を馬鹿にしないで欲しい」という。巧妙な言い訳がまかり通っている。
今は、特攻のような志願強制はないけど、
会社で、「仕事をするために残業していたのがいつの間にか、上司が残っているから帰れないとか、定時で帰ると仕事をしていないように思われるとか、残業自体が目的になってしまっている」…よくある話です。場合によっては残業代が払われなくても。
でも過労死、過労自殺に追い込まれれる事態は、現代の特攻と同じようなことかもしれません。
不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書)
- 作者: 鴻上尚史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/11/15
- メディア: 新書
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日体大、レスリング、ボクシング、体操など、体育系の「同調圧力」問題は、明らかになった以後は、メディアも盛んに報道し、社会的批判にさらされ健全性を発揮しつつあります。
しかし、最強権力の安倍首相に対しては、なんでもかんでも許していまっている。森友、加計問題など、誰もがオカシイと思っていても、激しい抗議は一部に限られ、多くの国民は傍観し、許している状態。逆に、生活保護のごまかしなど、ほんの一部の不正に対しては、容赦ない批判が加えられる。お隣の韓国国民とは大違い。
これまで沖縄では、米軍基地の強い押しつけが行われ、強制に近い「同調圧力」が働いている。沖縄と日本の行方を大きく左右する知事選が始まった。
まわりの人たちと仲良くする豊かで平和な沖縄が好きなら、本当に好きなら、「同調圧力」を跳ね返してほしい。
その出発点は、本当の事を知ること。本当の事が隊員や国民に知られていたら、特攻隊なんてありえなかった。