サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

大本営発表−②

 先日のつづき、辻田著・大本営発表から引用紹介します。
 表は米国真珠湾の奇襲攻撃の翌年、1942年の大本営発表の戦果と実際です。
 ミッドウェー海戦の大失敗の後は、劣勢がつづく日本海軍ですが、日本軍の損害は少なく、米軍の損害は大きい偽りの発表をしつづけます。
 日本海軍の敗北は、戦力差も大きいが、立案し実行した作戦の失敗も多い。しかし国民にも軍組織内にも、都合が悪くなったことを隠し、ウソをついてごまかしてきた。
 指導者の責任は問われず、自己保身のために誤りが繰り返され、兵士と国民が不必要に犠牲にされた。今の日本の指導者に似ている。
 最近の防衛省イラク南スーダンの日報の隠蔽問題。都合が悪い事は、政治家も防衛省も隠し、隊員を危険にさらす。時代は変わっても指導者の考えはあまり変わっていない。
 しかし憲法は変わり、主権者も民主主義も表現の自由も手に入れ、時代は変わったはず。
 しかも当時においてさえ大本営発表に疑問を呈する声が新聞に出はじめたようだ。
 「今日本は負け戦ばかりだそうですね。発表ばかり勝った様にしているが、本当は負けて居るとの事だ」(1943年12月28日 熊本県内の投書)
 「本当の事は新聞には書かれへん(中略)12月20日に航空母艦が英国でやられ、本月4日にはまた6隻がやられ海軍全滅のこと(中略)国民はもう知っているぞ」(1943年1月24日 大阪府内の投書)
 これらの投書は、調べられ弾圧を受けたかもしれないが勇気ある行動はあった。
 現在の日本、行動する事にそれほど勇気はいらない。