自衛隊考、⑩回目でひとまず終わります。
自衛隊を認める国民は多い。
その大きな部分は、災害への活動だ。活躍を目の当たりにするし身近だ。
熊本地震でも、被災者の救出、給水、食事やお風呂の提供など、多くの県民から喜ばれた。 私も感謝したい。
(写真は西部方面隊HPより)
自衛隊でなければできない災害対応の活動もある。
この部分は誰がみても必要であり合憲だ。
また、警察力では対応できない他国からの、
1.急迫不正の武力行使た起きた場合(急迫性、違法性)
2.他にこれを排除して、国を防衛する手段がないこと(必要性)
3.2ための必要な限度にとどめること(相当性、均衡性)
の純粋な自衛権行使の場合の自衛隊活動は、違憲とは言い難い。
憲法13条、国民の命を守ることは、主権者の国家への最大の要請だから。
だが自衛の定義は幅が広い。自衛はいつでも他攻撃に変化しうるし、線引きが単純ではない。
大戦後も日常的に戦争をしている米国も、大半は「自衛」を理由に先制的に他国を攻撃している。戦前の日本も同様だ。
また大国では、経済社会の構図も産軍複合体をなし、軍拡を求め、政治家へのロビー活動・献金も構造化している。
集団的自衛権の行使を認めた現状で、米軍指揮下の自衛隊では、国民のための最低限の自衛を逸脱する可能性は高い。
米国は、自国の国益のために米軍を日本に置き、訓練し、日本から武力攻撃に出撃する。
米国は日本の国民のために、他国民を守るために軍を置くほど、お人好しでない。どこの国でも常識だ。
だから日本政府を使って「米軍は日本も守る」と国民に宣伝を徹底する。北朝鮮や中国のへの危機感を必要以上に煽れば、効果はてき面だ。
熊本地震の時、アベ政権は、米海兵隊のオスプレイを呼んで、南阿蘇に物資を運んだ。事故を起こす欠陥機、外輪山を越えればすぐそこで、飛行時間もあっと言う間。
熊本空港・高遊原分屯地の自衛隊員としては、普段から訓練し、慣れているCH47で支援物資を運ぶ任務がやりたかったろう。効率、安全性などから言って当然だ。米オスプレイは、デモンストレーションだ。
健軍電停を行きかう自衛隊員さんを見ると、徒歩も自転車もバイクも、一般の人よりも交通ルールを守り、モラルも高い。
災害活動で頑張る自衛隊員を海外任務で危険な目に合わせたくない。
海に囲まれている日本、外国から攻撃はしにくく、まず攻撃する動機もない。よほどの事がない限り、他国からの攻撃に対処する自衛隊の防衛活動はないだろう。
史上最強の核戦力を持つ米国に攻撃をしかける国などありえないから、唯一あるのは、米国が先制攻撃を日本から仕掛ける時だろう。
憲法に「自衛隊」を書き込めば、新しい解釈で自衛隊の海外展開へと進む。
米軍指揮下で、最強の米軍を支援する、他国への先制攻撃となる、集団的自衛権の全面展開だ。
自衛隊を愛する主権者・国民は、米軍指揮下の危険な海外展開への動きから、自衛隊員を守るべきだ。
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