サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

若者の与党びいき−考②

 おとといの続き「朝日」オピニオン「若者の与党びいき」から(引用)。

 「記憶あるのは自民ばかり」の見出しは、平野浩学習院大教授のインタビュー。
 平野氏は学生たちに「君たちがものごころついたときの総理大臣はだれですか」と聞くそうです。
 現在の学生は、ほぼ「小泉純一郎さん」だそうです。
 いまの20才前後の若者が4、5才の頃、郵政選挙で大勝し、人気を博した小泉総理が、彼らの記憶の原点となるそうです。なるほど。
 逆に、彼らが10代の頃、民主党への政権交代があり、今に至るまで「良くなかった事」との評価が続いていてー。
 しかも民主党政権時代には、東日本大震災がおき、原発事故も起き、悪い記憶と民主(民進)が結びついているという。
 などほど、原発事故は自民党が推進してきた事のつけだし、地震民主党の責任じゃないけど…。(運が悪かったばかりじゃなく、消費税増税やTPP、原発再稼働など自民と同じ事をすすめようとした)
 平野氏は、若者に「保革対立」のリアルな記憶はなく、有権者への露出度も自民が高く、記憶の質も量も圧倒的に自民、若い有権者自民党を選んでいるというよりは、自民以外はよく知らないという状況、自民の支持が減っても野党に回らず、「支持なし政党」が増えるだけだという。
 なるほど、現状はそういう事なのだろう。
 しかし、そこには重大な問題が横たわっている気がする。
 一言で言えば、日本社会の人々は全体として、事実認識ができない状態になっている…事。
 若い人にとって、小泉さん記憶は、指摘のとおりだろうと思う。
 しかし、製造業にも派遣労働を広げ、非正規雇用の拡大と格差と貧困を広げ、若者にとって希望を失う社会にしたのは、自民党であり小泉さんだった。その事実を社会が人々が認識できない状態になっている。自分たちを苦しめる政治の選択…の不思議?。

 そういった指摘や分析がされていないことに、一昨日の山田教授と同じように単なる評論家的分析に、物足りなさを感じてしまう。
 「記憶あるのは自民ばかり」は、ビミョウな事だ。
 「政治とカネ」−自民党の甘利大臣はうまくやり過ごせて、舛添さんは徹底追及され辞任に追い込まれた、自民党にとって悪い事実は、悪い記憶として人びとに残らない。のはなぜか?
 社会が働きにくく生きにくい状態にしたのは、まぎれもくなく長期にわたる自民党政権で、その悪いはずの事実を、悪いとして認識できていない問題。

 主には、メディアの果たす役割に重大欠陥があるという事だろう。
 原発事故の悪い記憶、解決のメドもない。それでもなお進めようとする自民党安倍政権に支持率低下の影響はあまり表れていない。あきらめと忘れ去られが自民支持を支えている気もする。
 それにしても、シールズやネトウヨヘイトスピーチなどの分析はでてこないのかな?中国問題の影響についても知りたいのだけど…。