オバマ米大統領が今月27日、広島を訪問することになった。
様々な論評があるなかで、良いことには違いない。
米大統領としては初めのこと、欲を言わなければ、一歩前進にはちがいない。
オバマ氏は大統領就任後、過去3回の訪日を含め被爆地の訪問を探ってきた。
米国の世論動向、大統領選が近いなかで「弱腰」「謝罪」など、保守派や共和党からの攻撃も覚悟の上だろう。
オバマ氏は、核軍事大国の米国の核ボタンをいつでも押せる任についている最高司令官だ。その国家システムと米国民世論に押された重圧は想像以上だろう。
「正義」の自負が強い米国民な中で、弱腰ととられかねないことをするには勇気が必要だ。
伝説づくりの動機もあるだろう。でも、大学時代の論文で描いた核廃絶理想への接近努力として認められることだろう。
ルース駐日大使、ケネディ大使、ケリー国務長官など、広島(長崎)に送りつづけ醸成を養ってきた努力も認めたい。
アフガンなどへの無人機殺戮などの実態から、ノーベル平和賞受賞は返上すべきとの声もある。核軍縮は停滞し、核兵器の近代化は進めているにで私もそう思う。
だが、原爆投下から71年たって、落とした国の大統領が広島を訪れる事実は、やはり感慨深い。時代は、かわりつつある。今後の核廃絶へのアピールにはなるだろう。
安倍首相など日本の指導者も、70数年もたつ南京などに、そろそろ行ってみてもいい頃ではないか。しかしこちらの方は、ちっとも動かず、動きは逆方向ばかり。
その辺どうも、報道も含め、メディア依存の高い国民の観点も薄弱な気がする。
そして、中国の指導者など含め、かつての加害国の指導者が被害を与えた地に行ってみてはどうか、と思ったりする。