サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

子どもに貧困を押しつける国・日本②

 先日につづき「子どもに貧困を押しつける国・日本」を紹介・引用します。
 先進国における日本のGDPに占める社会保障費の割合は、かなり低いほうです。
 特に生活保護の予算はとりわけ少ない。
 また、世帯収入と育児時間、仕事時間の関連は表のとおりです。
 年収1000万以上の世帯は、育児にかけられる時間は父親61分、母親127分となっている。
 しかし、年収200万円未満の世帯は、父親の育児時間はわずか12分、母親は61分ときわめて少なく、その分、仕事に終われています。たくさんは働いているのに、収入は少なく生活は時間に追われている。なんとも不平等な事実。
 こんな状態は、世代的にひきつぎ、貧困の連鎖がつづく。


 将来の夢は「お菓子屋さん」という宮崎日日新聞の投書が(2014年1月6日)が紹介されています。
 「保育園のおやつの時間、康介(4才)が大好物なきな粉をまぶしたマカロニを食べ終わると、康介は容器を持ち、じっと座って待った。ほかの園児はゆっくり食べたり、食べ終わって遊ぼうとしたりしている。
 保育士がふいに声を出した。「お代わりのいる人は並んでください」。康介は真っ先に駆け寄った。
 康介の夢は、好きなお菓子がたくさん食べられる「お菓子屋さん」という。チョコレートやポテトチップスが大好きだが、頻繁には食べられない。家では安くて量の多い黒砂糖を食べている。
 康介の衣類の大半も知人からもらったり、保育園のバザーで数十円から数百円で買ったりした物だ。ほころびた所は母親の玲子(49歳)が繕う。自宅で康介が座るいしは、牛乳パックに新聞紙を詰め込んで作った。身の回りは、生活を切り詰めるために手作りした生活用品でいっぱいだ。
 専業主婦だった玲子は2度の離婚を経験している。離婚後は職がなく、水商売の世界へ。住む家がなくなり、車で寝泊りしたこともある。そのうち知り合った男性と交際し、妊娠が分かった。貧しくて育てられる自信がなかったが、迷った揚げ句、康介を出産した。康介の父とは連絡が取れず、実の親とは絶縁状態が続き頼る人はいない。
 玲子は、「康介には大変な思いをさせているけど、産んで良かった。康介は生きる支え」と話す。保育士は「康介ちゃんは元気が良くて活発。数字や文字の理解も早い。ただ、就学後を考えると心配な面はある。自分の生活環境が友達と違うと感じるかもしれない」とおもんばかる。
 康介の体調が悪い時は市内の子育て支援センターで預かってもらう。センターの保育士は「お母さんは料理好きで一生懸命支えようとしているが、康介ちゃんは肉や魚をほとんど食べていない。栄養面が心配」と気遣う。しかし、直接的な経済支援はできず、玲子も公的な支援を望まないため、もどかしさが募る。(後略)」
 個人の責任より政治と社会の責任が大きいと思う。少なくとも子どもに責任はない。