日本軍「慰安婦」に関し、クマラスワミ報告書を読んでみました。
クマラスワミ報告 日本の戦争責任資料センター
ウソの事例であった吉田清治の証言がどう扱われているかに関心がありましたので。
その部分は29(P9)、で「〜強制連行を行った一人である吉田清治は戦時中の体験を書いた中で、国家総動員法の一部である国民勤労報国会の下で、他の挑戦人とともに1000人もの女性を「慰安婦」として奴隷狩りに加わったことを告白している」となっています。
同時に、40、(P11)で歴史学者の秦郁彦氏の異論を紹介している。「〜秦氏によれば、1991年から92年にかけて証拠を集めるため済州島を訪れ、「慰安婦犯罪」の主たる加害者は朝鮮人の地域の首長、売春宿の所有者、さらに少女たちの両親たちであったという結論に達した。親たちは娘が連行される目的を知っていたと、秦博士は主張する。〜〜」とある。この後半部分は、違うと思う。
吉田証言は偽りであったので、報告に載せるべきではなかった。しかし、秦氏の反論も書いてあり、両論併記で、それほど一方的ではなかった。
そして私は思うけど、済州島の「強制連行」は偽りだったとして、しかし、植民地としていた朝鮮、台湾、戦場を広げた中国や太平洋、アジア各国のなかで、「強制連行」は本当になかったのか?と強く思う。
その証拠は、被害者側が出すべきなのか、侵略した加害者側が出すべきなのか? 政府が積極的に資料を出したのか? 隠滅したのか? (裁判で確定もされているが)
歴史の事実は、論争と新事実の発見で、より正確になっていくと思う。それは事の本質を究め、現在に活かす過程で行われるべきだ。
河野談話は、被害者から見ても十分ではないが、それすら、見直せと主張する政治家と論調がある。「『慰安婦』は性奴隷」の表現は、国際社会の今日的な到達が反映された表現と受け止めたい。吉見義明中央大学教授のインタビューを紹介します。(赤旗10/10)
誤りを誤りとして認め、謝罪することこそ、人と国を大切にすることと思う。
そうですよネー「朝日」さん。ちと遅かったけど。
根底には戦争責任の問題が横たわっている。