アフガンから命 問う 砂漠を実りの大地に
ペシャワール会 現地活動30年
私が尊敬する数少ない1人、中村哲さんの活動です。
6日付「西日本」の見開き、たいへん良い特集なので、引用しながら紹介します。
また、とても見出しがいいんですよ。
「医学部を卒業したとき、まさか川で重機を運転するとは想像もしなかったのですが…」中村医師の話。銃器を操作させたい総理とは大違いです。
百の診療所より一本の用水路
汚い水を子どもたちが飲んでは感染症にかかり多く死亡した。大干ばつがきっかけで、人々が食べて生きていける大地を取り戻そうと「緑の大地計画」が始まった。
大地の医師 川と闘う
中村医師は白衣を脱いで、重機を乗り回し、気温50℃超の炎熱の大地で元ゲリラ兵らと汗を流した。約7年かけてできたマルワリード用水路。砂漠は1万65000ヘクタールの緑の大地に変わり、稲穂、麦が育ち、イモやオレンジまで実る。
65万人が帰農したそうだ。寺院も学校もつくった。
治水事業に日本の技術 筑後川山田堰がモデル
用水路建設には、日本の伝統的な治水技術が生かされている。大型の重機やコンクリートがなくても、住民たちで護岸工事ができ修復もできる。
九州との地域間協力 日本 今も「成長教」
ペシャワール会は、九州と−アフガンの地域間協力と中村さんは言う。国際NGOのように世界各地を転々としなかったことが現地のニーズにあう事業ができたとも。
中村さんは、日本の欧米崇拝、経済成長、消費拡大の「成長教」を批判する。アフガンでは、気候変動・砂漠化が人類が経験したことがないほど進行している。「必要なもの、不必要なものは何か」「制御できるもの、制御できないものは何か」冷静に見極めるべきと。そのとおりです。
「平和国家」尊敬集める 復興モデル普及へ
中村さんたちは非暴力に徹してきました。かつて診療所がライフル銃で武装集団に襲われたことがあるそうですが、機関銃は備え付けてあったが撃ちかえさなかったそうです。報復の連鎖を避けるため。憲法9条、ヒロシマ・ナガサキ、平和国家のイメージが守ってくれたと。
もし制服の自衛隊員が現地きたら、私たちはどうなっていかたわからないといいます。
活動の原動力は?との記者の質問に「大和魂でしょうか」と、中村さんは答えています。
その意味は「義を見てせざるは勇なきなり」だそうです。
憲法解釈を変え、集団的自衛権の行使で、場合によってはアフガンにも武装した自衛隊を送ろうという安倍総理の「大和魂」とは、大違いです。
歴史は、この2人の違いをはっきりと刻むことになるでしょう。どう刻ませるか?は、これからの私たちしだいです。