サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

日米「密約」外交と人民たたかい

日米「密約」外交と人民のたたかい―米解禁文書から見る安保体制の裏側

日米「密約」外交と人民のたたかい―米解禁文書から見る安保体制の裏側

 新原昭治氏の日米「密約」外交と人民たたかいを紹介します。
 1959年3月。私が3才の頃、砂川事件というのがあり、東京地裁で「米軍の駐留は憲法違反」とする画期的判決があった。有名な伊達判決です。
 残念ながら最高裁でひっくり返された。しかしそこには司法への政治の、そして当事国。米国の介入があった。
 伊達判決があった翌日、米駐日大使のマッカーサー(D・マッカーサーの甥)が、当時の外務大臣の藤山愛一郎氏や最高裁長官の田中耕太郎氏と密談を繰り返し、判決の破棄を日本政府に求めた。これが秘密電報としてダレス米国務長官の送られていた。(日本とちがい外交上の秘密も時がたては公開される)
 その方法もマッカーサー大使が、通常の手続きではなく、高裁を飛び越えて最高裁に跳躍上告を勧めた。藤山外相は、全面的に同意し、直ぐに閣議で議論、その三日後には、最高検察首脳会議は最高裁への「跳躍上告」をした。異例の事だった。左翼勢力の運動がひろがる事をおそれたためだ。
 マッカーサー大使は、田中最高裁長官とも密談した。なにが請け負われたのかは明らかだろう。
 独立しているはずの司法がこれだ。日本の指導者は、強いものにはどこまでは付き従う性癖があるようだ。戦前は天皇制・軍部に、戦後は、米国に。尊厳や自負と言うものがない。
 砂川事件最高裁は、在日米軍を「戦力」ではないとして、東京地裁・伊達判決を棄却した。
 現実問題、在日米軍が果たした役割は、日本の防衛とは関係なく、ベトナム戦争、湾岸・イラク、アフガン戦争のように対外侵略戦争だった。したがって平和憲法・9条とは、とても相容れないと思う。