国際メディア情報戦(高木徹著)の続き、引用・紹介です。
日本でも「自己責任」「抵抗勢力」などがそれにあたる。
その言葉のにひろがるイメージで、情報の受け手の心に訴えられること。「想定外」と言う言葉を使う人の狙いは「事故は私たちの責任ではありません」と言いたいのだ。
メッセージのマーケッティングだそうだ。
「セルビア人が村にやってきて、銃を突きつけ、30分以内に家を出て行けとモスレム人に、命令し、彼らをトラックに乗せて…」のような説明を一言、「民族浄化」でイメージさせる。
PR会社のジム・ハーフが考え出した言葉。
浄化は本来、服などの汚れをおとす、キレイにする事だが、「民族を浄化する」となると、ジェノサイドやホロコーストを思い起こさせる。そんなひどいことをやっているのがセルビアのミロシェビッチ大統領だ、と印象づけた、これが狙い。
高木氏は、この情報戦を国際政治の現実として受け入れなければならないとする。そう言う面は当然だろう。
同時に、広告にもPRにも社会的責任があると思う。社会が主権者が、このことをPR会社や広告代理店につきつける必要がある。でなければ、金があるものだけが正義となり、政治・経済・社会をコントロールすることになる。それは大きな社会的損失だ。
更にメディアリテラシーの向上。主権者が、情報の主体者であり、受け手として、情報の再構築をより事実と真理に接近する事が必要だ。