「サスティナビリティ」考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

川辺川ダムと井上栄次100年の軌跡

熊本県政の中で、水俣病問題につづき大問題だったのが川辺川ダム建設問題だ。当然、井上栄次さんも、県議会でのダム論戦で活躍した。
 長いたたかいを経て川辺川ダムは、今のところ中止状態になっている。
 井上さんが県議になる前には、五木村で村民ぐるみのダム反対のたたかいが起こっていた。
 しかし建設省、県の圧力が強まるもとで、村民はしだいに財産保障とともに、全村民が村内で生活できるように、きちんとした「立村計画」を求めるようになっていた。
 そんな頃に県議となった井上さんは、現地を訪れて住民と懇談、1974年3月議会で一般質問にたった。井上さんは「水没者の生活再建対策について」の要旨で、国の計画は宅地や田畑などの代替が極めて不十分な事を厳しく批判した。

 また県は76年、臨時議会を招集して、「川辺川ダム建設基本計画」(案)を上程させた。自民から公明、社会党まで賛成する中で、共産党の井上さんがただ1人反対討論にたち、ダムの治水、利水、発電、安全性の問題について全面的に批判した。
 治水のためには、当時の改修率が11〜12%だった河川改修を急ぐこと、治山対策でも、乱伐による山荒れをなくし山林の保水力を高めること、灌漑(利水)についてはダムを作らなくても灌漑は十分可能だと主張した。またの安全性についてもダムサイト右岸の断層や破砕帯を指摘して疑問を投げかけた。
 結局、「基本計画」は共産党の井上さん1人が反対する中で決議され、仮排水路にいたるまで工事が進められた。
 しかしダムに反対する住民運動や漁業者、利水訴訟の勝利など、たたかいが大きく広がり、共産党県議会議員も、中島絹子さん、沢田一郎さん、松岡徹さんとバトンを受け継ぎ、住民といっしょになって、ダムを中止にまで追い込んだ。ふりかえれば私も、現地調査や住民討論集会など繰り返し参加した。
 熊本のダム問題では現在、立野ダムの計画があり、原生林豊かな立野峡谷に造られようとしている。(写真・立野峡谷・キャニオニング)
 川辺川ダムと同じように運動が広がり、県民・国民に知らされ、ムダづかいで危険な自然破壊のダムを止めるよう、私も全力で頑張りたい。


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