IPCCは、温暖化の科学的知見について・第1作業部会の第5次報告を発表、一斉に報道された。
温暖化は確実で、それは人間活動によると(95%の確立)と強い調子で警告した。
すでに大気中のCO2濃度は400PPmを超え(産業革命前は280PPM以下)、気温は0.85℃あがり、海水面は19?も上昇したと認定した。海の酸性化はpHが0.1低下。
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今世紀中の気温上昇は、幅はあるが最大で、4.8℃、海面は82センチ上がると予測している。(温室効果ガスの排出モデルをRCP2.6〜8.5に示す)
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私の懸念は、温暖化を疑う人たちの主張の浸透しているため、IPCCの警告を真剣の受け止めない傾向がある事だ。
脱原発をめざす人たちの中にも、この意見が少なくなく非常に残念だ。ネットでも書店でも、コッチの方がはるかに売れている。
確かに6年前の第4次報告では、気温上昇の最大値が6.4℃だったので、シュミレーションの精度を上げた結果、低めに修正されている。
また最近の気温上昇の伸びが弱まっていることから、温暖化に批判を強める人も一部にある。中には、やがて小氷河期になるので、このまま進んでかまわないと言う人もいる。
その説の主な要因に太陽活動の低下をあげる人も多いが、私がいま読んでいる本から、その影響がわずかであることを近く紹介したい。
いずれにしても地球温暖化や気候変動は、惑星規模であり人類未踏の体験なので正確な予測は困難だろう。
それでも観測と研究が積み上げられ、少しづつ予測が正確になってきている。今回の報告書に携わった研究者の努力に敬意を表したい。
来年3月には横浜で、温暖化による生活や生態系への影響(第2部会)が発表される。今世紀、前半はそれほどでないにしても、後半は破局に、いかに立ち向うかが人類の課題になるだろう。
第3部会の報告書は温暖化の防止策や対応策。
一人ひとりの人間がどう受け止め、政府や企業、社会と自らを対応させるか、未来への責任が問われる。