サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

戦艦大和・特攻の愚かさ

 特攻で一番おろかな攻撃だったのは、戦艦大和だろう。攻撃もできず、一方的にやられて3063人の命とともに沈んでしまった。(艦隊全体では3690人)
  日本海軍は、1944年6月のマリアナ海戦で空母機動部隊が壊滅し、10月のレイテ海戦で連合艦隊を事実上失った。
 沖縄戦で米艦船を迎え撃つ艦隊はなく、制空権も制海権も奪われ、沖縄を捨石にした地上戦で本土決戦までの時間稼ぎをしたにすぎない。
 航空機による特攻作戦にくわえ、戦艦大和まで特攻に加わった。そのきっかけをつくった人がいました。
 「海軍にはもう艦はないのか、海上部隊はないのか?」…と聞いた人。誰でしょう?。戦争の最高指導者、軍の統帥権を持つ昭和天皇でした。(及川軍令部総長への御下問)
 大和は零戦と同じように、燃料は片道分だけ、沖縄のビーチに乗り上げて、弾がなくなるまで打ち続けるつもりだった。
 もちろん多くの艦長は反対したようだ。当然だろう。誰が考えても、潜水艦や航空機から攻撃を受け、沖縄にたどりつけない愚劣な作戦だったからだ。事実そうなった。
 4月6日、8隻の駆逐艦などを随行して瀬戸内海の徳山沖を出航してまもなく、米潜水艦に発見され、翌7日、薩摩半島沖で待ち伏せ攻撃を受け、魚雷10本、爆弾4発(諸説あり)受けてあえなく沈没した。
 もはや巨大戦艦の時代ではないのに莫大な税金をかけて作った大和、たいした戦いもせずに、おろかな作戦で沈没。
 大和が悪いというより、発想して造って運用した軍人のおろかさと、犠牲になる人々を象徴している。
 しかし、こんな大和の最後を知っている人は少ない。だからか?戦艦大和には、いまだに日本人の憧れが象徴されている。愚かさが、愚かなまま引き継がれていると私は思う。
 おかしいと、みんなが思っているのに、同調せざるをえない「空気のようなもの」。今もひろく残っていて、場は支配的。
 でも、そうじゃない人もいる。勇気が必要。私もそうありたい。