サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

尖閣を獲り来る中国海軍の実力−

 「尖閣を獲り来る中国海軍の実力」‐元統幕学校副校長の川村純彦著を読んだ。改憲集団的自衛権行使派の本も読んだほうがいいと思って。
 7章では、「日中尖閣沖海戦」として、戦闘のシュミレーションしてある。
 最初に、中国の漁民に扮した民兵武装して魚釣島に上陸、それを支援する中国の戦闘機や艦艇、潜水艦を日本の自衛隊が撃退するありさま描いている。米軍の参戦がなくても、日本の自衛隊の兵器が上回っていることを主な理由に解説してある。
 特に、著者の川村氏が対潜哨戒機のパイロットだったこともあり、潜水艦の探知能力に大きな差がある事が自身になっているようだ。
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 確かに、米国の戦略に組み込まれた日本の役割として、旧ソ連の潜水艦探知が求められ、米国のP3Cを大量に買わされて98機も配備し、訓練もつんでいる。
 専門家ではない私に、どうこういう知識はないが、どうも単純化のきらいもある。核兵器の使用まではいかないにしても、国際社会の動きや、日中の経済的な依存関係などを考慮すれば、日本が実行している尖閣を中国が確保しに来るとは、そう簡単には思えない。
 著者は、中国の海洋軍拡は、東シナ海を中国の戦略原潜の聖域にし、核戦略で米国に対抗する構想を想定しているため、と決めつけている。
 この本で少し勉強したのは、中国の南シナ海の動きだ。中国は1974年に、ベトナムが統治していたパラセル諸島(西沙諸島)を武力で占領し実行支配しているようだ。
 1988年には、スプラトリー諸島南沙諸島)に進出し、ベトナム海軍と交戦、ベトナム側に被害を与え、その後、実行支配をしているようだ。
 フィリピンやブルネイ、マレーシアとも領有権争いで強引な態度に出ている。
 この中国の態度は極めて悪い。日本が軍拡や憲法改悪する願ってもない理由を提供してくれている。
 中国は、大国になったからと、米国の後追いをしている感じがする。
 中国は、空母や強襲揚陸艦など、米軍は、F22やオスプレイ配備など、米中両方とも軍拡競争をしている。
 もっとも米国の産軍複合体も中国の産軍複合体も、敵対しつつ利害は一致している。
 その負担を強いられるのは、米国民と中国国民と日本の国民だ。関係国の諸国民と平和勢力こそ、互いの共通の敵を見定め、対処すべきと思う。


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