サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

人類にも天敵が必要…

 7/24日「朝日」に、動物行動学研究家の竹内久美子さんのインタビュー記事が載っています。
 自民党参院圧勝を受けて、「巨大与党」について記者が聞いています。
    生物界なら1強はありえぬ
 その内容はともかく、竹内さんが紹介したヘラジカの話が、昨日の温暖化問題につづき、人類が直面している事態を想像すべき、参考になると思い紹介します。
 アメリカとカナダの国境、五大湖の一つのスペリオル湖に、ロイヤルという長径70キロ島があるそうです。
 20世紀の初めに20頭ほどのヘラジカが、たまたま凍った湖面を渡って島へ行ったそうです。
 島には、ヘラジカの天敵もエサを奪い合うライバルもいなかったそうで、20頭がわずか12年間で3000頭にまで増えたそうです。
 ところが増えすぎたため、エサが不足し、その後の10年で800頭にまで減ってしまいました。
 今度は20世紀の半ば頃、再び凍りついた湖面を渡ってオオカミがやってきたそうです。オオカミはヘラジカを襲い食べてしまいます。当然、ヘラジカは減ってしまうはずです。
 しかし、逆にヘラジカは増えたそうです。オオカミに食べられることによって個体数が減り、エサ不足が解消、ヘラジカ1000頭、オオカミ30頭で安定しているそうです。
 もしもオオカミがやってこなかったなら、ヘラジカはエサ不足で絶滅したはずです
。(セントマシュー島の例
 天敵がいて他種から制限を受ける、生物の多様性こそが、結果的に種にとって好ましい環境となります。
 さて、同じ惑星地球において、人類だけが、この例外たりうるでしょうか? 
 私が生まれた頃の人口は20数億人。今や3倍以上の70億人となり、私が生きているうちに4倍になりそう。毎年9000万人も人口が増えています。
 大量生産、大量移動、大量消費、そして大量廃棄の人類社会。科学と技術で敵を駆逐、もはや天敵はいません。「成長の限界」点を突破し、クラッシュへと向かいつつあります。
 温暖化をはじめとして、生態系を破壊し、たくさんの生物種を急速に絶滅させている人類に、未来はどこまで保障されているでしょうか。事は島で起きている事ではなく、惑星規模でおきているのです。 
 時間はありません。人類が本当の知恵と、本当の勇気を出し合い直ぐに行動する事、、、。、  

 人には、いつもできる、と言うことではありませんが、実は、自制心というのがあります。




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