昨日の続き。2番目に「政治におけるイメージ」の問題を持田氏は考察する。
ナチス・イメージは、3回転換しているとして、
①街頭的・非合法的一揆主義」の党
②反資本主義・反ユダヤ主義を主張する合法的議会闘争の党
③反共主義の闘士として、保守との連合を推進する党
ナチスの躍進は、
1928年の総選挙で得票率 2.6% 12議席 第8党
1930年 〃 18.3% 107議席 第2党
1932年 〃 37.4% 230議席 第1党
30年の議席の67%は、40才以下の若い党員。この頃のナチス・イメージとしては、
「反ユダヤ主義と反資本主義を掲げる合法的議会闘争を展開する、力強く若々しい反ワイマール体制の党」のようだった。
その後に反資本主義はやめ、反共を強く打ち出し、財界からの資金援助もあり経済界の支持も吸収して大躍進、政権についた。
こうやって人びとの関心を集め支持を広げたようで、最初から「戦争、独裁・虐殺」のイメージではなかったということ。
橋下・維新や石原新党が直ぐに広く国民の支持が定着するとは思えないが、今の日本の国民、特に貧困と格差による若い人たちのイラダチは、十分その土壌となっていると思える。
ナチスの躍進・政権獲得の時、ドイツ共産党も大幅に議席を増やしている。社会民主党も議席が多い。それでもヒトラーを止められなかった理由はなんだろうか?
やがてナチスは、国会放火事件をでっち上げ、共産主義者を追放して、全権委任法を成立させ、戦争へと突き進んだ。初期の対応が決定的のよう。