サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

選択の科学① S・アイエンガー


  「選択の科学」-シーナ・アイエンガー著を読み始めました。非常におもしろい。
 ちょっとかわいそうな実験が紹介されている。(57年米国ジョンズ・ホプキンズ大学) 
 ねずみを水の入ったビンに入れて、水をかけながら死ぬまで泳がせ「泳ぐか死ぬか」の時間を計る実験。
 長い時間、泳いだねずみもいたが、15分ほどで、あっさりあきらめて溺死したねずみいたようだ。研究者は、その個体差に驚いた。
 次に、ねずみを捕まえて、そのたびに逃がす。そしてビンに入れ、水を浴びせた後で、また逃がしてる捕まえてビンに入れ泳がせる。を繰り返した後は、最後まで…、そんな実験だ。
 そうすると、あきらめたりするねずみは一匹もおらず、平均60時間を超えて泳ぎ続けたそうだ。
 学習をつんだねずみは、「逃げられる」と思いながら、生理的な限界まで生きようと、最後まで生きて、本当の最後に死んだ。ねずみは、自分が持っている筋力、体力の最限界まで、泳ぎ続ける「選択」を、学習によってしたことになる。
 さて、人間社会の私たち。
 多くの人々は、せまいビンに入れられて、貧困や失業やきつい労働や重税・重負担の水を、たえず浴びせられているようなものかもしれない。
 主権者である私たちは、民主主義と人権を行使してビンを割る力は持っている。そのために協力しあうことも可能だ。
 実際、そうやっている国々もたくさんある。どの国も過去をたどればそういう歴史をもっている。
 少なくとも、同じビンの中の仲間同士で、いがみ合い足を引っ張り合うことはやめたい。さて、日本社会の人々、協力しあい学び合う自分たちの力を知っているだろうか?
 (ねずみさんたち、残酷なことをしました。ごめんなさい)