「ヒトラーとは何か」(セバスチャン・ハフナー・草思社)を読みました。手元の本は、79年1刷で95年には21刷のもの、結構売れたみたい。
この本は、面白いことに、ヒトラーの「生活」「仕事」「成功」「錯誤」「失敗」「犯罪」「裏切り」の項目で書いてある。
ヒトラーの政権掌握前のドイツ社会と今の日本社会の人々の心理状況はきわめて似ていいると思える。上記の項目の中でヒトラーの「成功」についてだけ書いてみたい。
まずは外交の成功。1934年政権掌握後の翌年35年、ベルサイユ条約に違反して、一般兵役義務を施行、36年、ロカルノ条約に違反してラインラントに進駐、38年、オーストリア併合、チェコのズデーテン地方とリトアニアのメーメルを占領するが何も起こらなかったようだ。
軍事的成功は、39年のポーランド、40年のデンマーク、ノルウェー、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ占領、最後にはフランス征服とつづく。背景にはイギリスなどの宥和政策があったようだがそのまた背景は、よくわからない。
経済的には、33年に600万人いた失業者が3年後には解決し、インフレなしに賃金と物価の安定が達成され、途方に暮れ希望を失っていた状態から、未来への自信が生じてきた。アウトバーン建設もこの時期で、戦車や戦闘機の大量生産は、労働者に仕事を与え、兵役義務は失業者を吸収した。
一連の成果は、世界大恐慌が長引く間に行われ、労働者、国民の圧倒的な支持を取り付けた。その後は戦争と廃墟へと向かう。
当時のドイツ社会と国民と、政権掌握に至るナチス・ヒトラーとのコミュニケーション関係をよく知る必要がある。
私も理解力不足で、まだ知らないことわからない事が多い。あの時代の事を、当時の人々の思いを理解しないと、現在の日本が理解できず、対応できない気がする。
文が全くまとまらん。ねむい。