サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

韓国経済の実態

 韓国経済は、めざましい発展と遂げている。現代自動車、サムソン、LGなどの商品が売れており、半導体でもケータイでも液晶テレビでも、日本の製品を脅かしているのは事実のようだ。
 しかし国民経済と言う場合はちょっとちがう。工業だけとってみても、大企業から中小企業まで、技術や雇用、納税まで、国民のためになっているかどうか?が問われなければならない。
 韓国は日本の真似っこなのか、貧富の格差が進み、若者の就職先が少なく非正規雇用が多くなっている。輸出中心の一部財閥偏重になっている。
 対米、対EU輸出で黒字をだしているが、部品の圧倒的多数を日本から輸入しなければならない。しかも代金を円で払ってもらう円建てで、いま異常な円高対日貿易は、ずっと赤字になっている。NHKで、韓国の業者が円高で悲鳴をあげているインタビューを伝えていた。(対米輸出はドル建て)
 組み立て工場の大企業も雇用にとっては大事だが、加工技術をもっている部品工場の中小企業の存在も極めて重要だ。
 日本には大企業から単価の切り下げで、苦しめられながらも中小企業の存在は、雇用にとっても内需にとっても非常に大事な役割を果たしている。
 ところが韓国は、その中小企業が少ないことが重大な弱点となっている。
 さらに、JAの学習会でもらった資料(下図)のように、韓国の銀行が米国と中心にした外資に握られていることは知らなかった。驚いた。そして対外純資産も韓国はマイナスだったと思う。

 ただ、どの国、どの企業が、業績が良いか?よりも、それぞれの労働者や国民に、しっかり富を分配しているかどうか?が経済にとっては大事と思う。
 内外の各企業が激しい競争下にあるので、個々の企業にそれを求める事は、競争に負ける事を意味しできない。
 そこで、すべての企業に等しく社会的責任を果たさせるための法的な規制が必要となる。その役割は、労働運動が長く担ってきた。日本の主流の連合系労働運動は企業に飼い慣れされた労働運動でその役割は全く果たしていない。原発推進の電力労連みれば明らか。
 働く側からいえば当然の権利。同一労働同一賃金の原則は、EUでは常識で、自動車会社など、日本の大企業も当然したがっている。ただ働き(サービス残業)などの企業犯罪はありえない。
 しかし日本では、派遣・非正規雇用が法律を変えて認められ、差別待遇がまかり通っている。差別的低賃金・不安定雇用の万円⇒過剰生産=過小消費⇒不況の根源がここにある。
 「万国の労働者、団結せよ」が大事ってことかなー。

【特集 もう一度考えよう! TPP】 「韓国の『国のカタチ』」 鈴木利徳 氏(農林中金総合研究所 常務取締役) | 提言 | JAcom 農業協同組合新聞
韓国の『国のカタチ』鈴木利徳農林中金総合研究所)