サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

「独裁VS反独裁」考-反橋下側の見誤り

 今日の「朝日」に、大阪市・知事選に対する村上憲郎さん(紙面審議委員会委員・前グーグル日本名誉会長)の紙面批評が載った。なかなか面白い見立てです。
 
 村上氏には当初から、「独裁VS 反独裁」の対立軸は間違いに思えたようだ。「反橋下側が見誤ったのは、『独裁=悪』という、自らの古い感性、古い常識」が自明でなかった、と指摘する。
 選挙前からのネット上の反応は、「独裁による改革=良」であったとし、実際には「新VS 旧」、「今のままでない何かVS 今のまま」だったと言う。
 事実、反橋下派には、「既成政党」の「翼賛」との批判が投げつけられ、実際に影響したと私は思う。このことに反橋下側は、気づいたのか?気づかなかったのか?
 私は、争点は2層構造になっていると思っている。
 ひとつの層は、生活やおかれた状態から見た対立軸と争点だ。派遣労働や増税、中小企業たたきをやる財界・官僚・政治家・主要メディアなど1%側原子力村と同じ)VS 貧しき99%の人々となる。
 ふたつめの層は、財界・権力側のバイアスを受けたマスメディアをつうじて、有権者の脳に「再構成」された、事実の検証よりもイメージとマインドの対立軸・争点になっていると思う。
 残念ながら選択は、生活事実よりも、感じ、認識した心の方がする。
 課題は、一つ目の層が2つ目の層で勝ちうるためには、何が必要なのか?だ。
 わたしとしては、当然、マーケッティングが最初の出発点になるが、反橋下側に、それは感じなかった。だから、希望、変化、明るさ、力強さなどの洗練された発信に欠けた。
 「古いか?新しいか?」「面白そうでなんか変わりそうVSあまり変わらない」を⇒「生活者が求める変化が、そのまま新鮮にうつり、今度は変わりそう、面白そう」となること。
 自分の苦しさからなんとか抜けだしたいイライラ有権者は、自分と同じ苦しみを味合うべきだと、指を指された仲間をバッシングしてスカットする。イジメ社会。仲間と隣人の足を引っ張り合う心のデフレ・スパイラル
 対象は、「高給で働かない公務員」や「甘やかされた農業者や中小業者」、「社会保障費がかかりすぎる高齢者」、「ニートの自己責任の若者」などと、貼り付けられたがイメージが時間や空間を挟んで対立させられる。
 おそらく、小泉構造改革を支持し生み出した層は、民主党政権交代も生み出し、今回のハシモト劇場も生み出している。無党派というより、(     )派と表現する方が正しいかもしれない。
 検証する努力ができないほど渇望しているのか?渇望しすぎて検証、事実認識できないのか?。権力は脅し、カネあるものは買収(広告)するのが仕事だ。
 私たちの仕事は? メディアを、メディア側の仲間とともに、わたしたちの側に取りもどし、権力者のウォッチドッグと、知る権利にこたえる社会的責任を果させること、そのためにもメディアリテラシーを高めること。
 勝者は、今のところ、たえずメディア側。そうやって昔から戦争やらに走ってきた。
 見出しの「現代史初の『世代間対立』」は、むかしから財界と官僚スジが流している情報操作だ。
 「ネットの功罪と共に検証を」の見出しのネット功罪は、よくわからない。大阪問題でネット言説はあまり見てなかった。

 まーた、むずかしい話になってしまった。理解が不十分だと、こうなる、反省。