サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

ベテラン機長・副操縦士のいない日航は安全か?

 昨日の毎日の2面「風知草」には、敬服しました。日ごろ、主要メディアの批判ばかりの私ですが、この記事は非常にいい、流石と思いました。
 相撲界の「八百長」問題、自民、民主の国会のやり取りも「揚げ足取り」ばかりで内容がない。志位さんの質問は、日航問題、TPP、国保問題など、他の党が追及しない問題点をしなやかに、しかし、ズバリ、逃げようがないようにせまった。
 そんなやり取りを毎日新聞編集委員山田孝男さんは、非常にうまくまとめています。山田さんは、「志位が、マルクス経済学用語や労組べったりの話法を振り回していたら、反応はずっと小さかったろう」と書いている。
 それは志位さんが、頭から「解雇は不当だ」とは追及しないで、安全問題から入ったことがポイントと思います。解雇の結果、日航には、55才以上のベテラン機長と48才以上の副操縦士がいなくなったとして、安全性は大丈夫か?と問いただした。さらに全日空との対比グラフを示したし、アメリカのハドソン川への事故・不時着で英雄になったサレンバーガー機長の議会証言も引用した。
 志位さんは、会長に就任した京セラの稲盛氏の経営第一とも言える発言も批判したが、山田編集委員は、それもちゃんと書いている。それがどんなに勇気がいることかはだいたい想像つく。山田編集委員は最後に「経済財政危機と雇用不安の濁流渦巻く中で、経済再生と人間の幸福をどう調和させるか。歴史的な課題に一石を投じる質問だった」とい結んでいる。で、「効率と幸福の間」の見出しになっている。もともと「間」に対立はなく、持ち込まれたもの。人々の幸福ためにこそ、効率はある。利益は、人々の幸福ために(還元)ある。
 国民生活の土台である雇用問題で、ズバリ違法・不当解雇から入れない、極めて残念な社会状況の中で、安全問題から入る志位さんの感性と工夫。一石を投じる質問として受け止め、堂々と記事にできるジャーナリスト。ゆがんだメディア界に一石、希望を感じました。ありがとうございました。
「毎日」―効率と幸福の間⇒http://mainichi.jp/select/seiji/fuchisou/news/20110207ddm002070075000c.html