サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

スターン・レビュー②「市場の失敗」

「最終的に達成すべき温室効果ガスの濃度が、炭素の社会的費用の見積もりの道筋を決定づける。もし達成目標がCO2 換算450〜550 ppmに設定されるならば、炭素の社会的費用はCO2 1 トンあたり25〜30 ドルの範囲の値から始まると予測される。炭素価格は、炭素税、排出量取引、排出量規制を通じて設定され、気候変動政策の基盤であるといえる
 政策の第一の要素は、炭素価格である。経済学的に見ると、温室効果ガス排出主体は、環境に対して外部性をもたらしているといえる。つまり、排出主体は気候変動を引き起こし、世界と将来の世代に対して対策費用を押しつけているにもかかわらず、自分自身の行動に伴う結果に直面していない。炭素価格を適切に設定することにより、炭素税や排出量取引のような直接的な形のみならず、排出量規制のような間接的な形を通じて、人々が自らの行動によって生じる社会的費用を負担することになる。

 また、価格が設定されることによって、個人や企業では、商品やサービスに対する投資を炭素集約的なものから低炭素型のものへと転換するようになる。世界全体にて炭素価格を共通化することができると、もっとも対策費用の低い地域・部門にて排出削減が実施されるようになり、経済効率を向上させることが可能となる」
 スターンレビューの一部分です。「市場の失敗」は、温室効果ガスの排出が実際に環境に負荷を与え、現在、将来に大きな被害、コストをかけるのに、そのコストタダで、価格に反映されていない事を意味している。(外部不経済)途上国と先進国の温室効果ガスの価格が同じでいいかはギモンもあるし、過去に多く排出したコストを先進国が支払うか意味で排出の大幅削減と技術移転と経済支援の必要性と責任が生じている。(写真は、記事と関係ありません。うちに自生しているアサガオです)