サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

“水俣病”和解へ基本合意。大きな一歩、さらに被害者全員救済へ健康診断を!

 3/29日、水俣病不知火患者会熊本地裁の和解所見を受け入れ、チッソ、国、県との基本合意が成立しました。地裁前の集会と報告集会に参加しました。

 これまで国が和解を拒否してきた経過から大きな前進です。長く苦しみ、裁判に立ち上がった高齢の被害者のみなさんから見れば、待ちにまった解決への最終場面として感慨深いものがあると思います。
 同時に弁護団原告団長の大石さんがら集会で報告していたように、最後まで被害者救済を求めてたたかう立場が非常に大事と思います。
 チッソが排水を止めた翌年までに生まれた人と限定し、地域指定の地域も極めて限定的であることと、被害の全容解明のための沿岸住民の健康調査が約束されていないことなどから、全面・完全救済には、なお高いハードルがあるためです。
 また、チッソが分社化すれば、数万人と言われる潜在的な被害者が補償を求める相手がいない状態になる。水俣病の原因が汚水と知りながら、もうけのために、排水を垂れ流し、甚大な被害の原因となった「利潤第一主義」と同じ構造ではないか。まさに利潤追求するチッソの救済となる。これがモデルとなれば、企業が犯罪をおかした場合、分社化して責任逃れをすればいい事になる。これでは誤りはなくならない。
 また、加害者国が最高裁判決に従わず、水俣病認定の「権利」を行使することもおかしいし、犯罪⇒補償の普通常識が国にあてはめられないのも極めておかしい。自己責任は弱者にだけ適用され、強者は無理な理屈でもこねれば「救済」される。まったくおかしい。
 鳩山首相が5月1日、水俣に来る可能性が高いようですが、表面的なお「詫び」の言葉ではなく、「住民の健康調査」の約束をして、本当のお詫びをすべきと思います。