サスティナビリティ考

地球環境、持続可能、政治・経済・社会問題などについて書いています。 メール kougousei02@yahoo.co.jp

中国人実習生・熊本地裁 ”勝訴”   頑張りましたね、刘さん、谷さん

 4人の中国人の研修・実習生が縫製会社と事業共同組合などを熊本地裁に訴えた裁判で29日、訴えが認められ勝訴しました。
 縫製会社の責任を認めたことは当然として、1次受け入れの事業組合の責任を認めたことは画期的でした。判決で、研修期間も労働として認めれるなど実態労働を重視したことも重要です。問題の根本にある国際研修協力機構(JITCO)責任が認められなかった事は残念です。
 この縫製会社は私の出身地域の天草市にあり、最賃を大幅に下回る賃金で深夜まで働かせたり、貯金通帳やパスポートを取り上げるなど人権侵害も起こしました。彼女達がどんな仕打ちを受け、どんな逃れ方をして党の関係者に相談してきたか、私も話を聞きました。
 若い彼女たちが、異国の地に来て、労働組合に加入して、裁判まで起こす。いろいろな不安、悩みもあったと思う。それができたのは、不当なことには黙ってはいられないと勇気を振り絞ったこと、労組、支援の人たち、党関係者などへの信頼があったのだと思います。
 この問題は、縫製会社の責任だけを追及できない制度上の問題があります。縫製、農業、建設ほか、下請け零細企業が法を破らざるを得ないほどに、大手発注元の単価が切り捨てが行われている(農業は再生産できない実態)。
 28日の「判決前夜集会」では、様々な実態が明らかになった。ある例では、デパートで売られているブランド商品(女性下着)7000円の下請け単価は700円だそうで1つ作るのに50分かかるそうだ。まともな賃金を払うなら経営は立ち行かない実態がある。大手業者や大企業がもうける仕組みが根本にある。同時に差別的、偏見的な思いも経営者の中にはあるようだ。研修・実習の名のもとにアジアの安い労働力受けいれ、全国各地で過酷な労働を蔓延させ、矛盾を拡大させている国際研修協力機構の問題も明らかにすべできある。
 送り先の中国側の業者やブローカーなどにも問題があるようだ。研修・実習生らに莫大な保証金や違約金などを要求し、利益をむさぼっている実態も明らかにすべき。その意味で労組や支援組織の国際的な協調が必要と思う。